第18回世界コンピュータ将棋選手権の結果

2008年5月3日(土)〜5日(月) に行われた 第18回世界コンピュータ将棋選手権に参加しました。

■使用マシンのスペック
  CPU : Core2 Extreme QX6700 (2.66GHz)
  Memory : 2GB
  OS : WindowsXP Professional
  ※去年と同じマシンです。

■K-Shogiのバージョン:K-Shogi 2.5.00

■自戦記

※以下の棋譜表示には、Kifu for Java V2.33 を使用させていただいています。

1回戦 先手:山田将棋 後手:K-Shogi
初戦の相手は選手権常連で1次予選6位の山田将棋です。
将棋は23手で定跡から外れましたが、何とか居飛車穴熊に囲うことができました。
対する山田将棋は美濃囲いです。
居飛車穴熊なのに端から攻めて行き、端を破ってしまいました。。。
その後は順調に攻めて行き、134手で山田将棋、投了。
初戦をものにすることができました。

2回戦 先手:K-Shogi 後手:SPEAR
SPEARさんとは席が隣でした。対戦前にお話をさせていただいたところでは K-Shogi相手にスパーリングされていて、K-Shogiに勝ち越しているとのことです。 K-Shogiは癖のある手を指すので、あまりK-Shogiと対局させると変な癖が移るとおっしゃっていました。
また、floodgateでの対局で発生した、K-Shogiにただで角を取られる定石が入っていることを教えていただきました。 floodgateではランダムに定石を選んでいますが、選手権では勝率の高い定石を優先しているので、 選手権では発生しないと思うのですが。。。(同じことを備後将棋さんからも教えていただきました。)
将棋は13手まで定跡で進みました。その後、SPEARは矢倉に囲い、K-Shogiは矢倉に囲う前に攻められて変な型になってしまいました。
31手目に銀と角を交換し、K-Shogiが駒得になり、順調に評価値も上がっていきましたが、 39手6一角は痛恨の悪手ですぐに角を取り返され、評価値も互角まで下がってしまいました。 対局後に解析したところでは深さ2の手の読み漏れが原因でした。 PV列の2手目ぐらいは全ての手を読むようにしないといけないと思いました。
その後はじわじわと攻められて130手でK-Shogi、投了。
1勝1敗です。

3回戦 先手:GPS 後手:K-Shogi
GPS将棋とは毎年よく当たりますし、順位も近いので勝手にライバルと思っています。
35手まで定跡で進みました。定跡でGPSは船囲いに、K-Shogiは美濃囲いになりました。
定跡が切れてから角交換になり、じわじわと攻められ、100手辺りでは評価値はかなりGPS優勢になっていました。
その後、K-Shogiは端から攻めて行き、126手ではなんと逆転しているようです。
160手で評価値もK-Shogi優勢となっています。208手の5九角では詰みを読み切っていますが、 その後GPSは長考に入り、時間切れでK-Shogiの勝ち。
劇的な逆転勝ちで2勝1敗となりました。

4回戦 先手:奈良将棋 後手:K-Shogi
奈良将棋は常連ですが、今回Bonanza式の学習を成功させて来たとのことで、 最終的に5位で決勝へ進んだプログラムです。
将棋は33手まで定跡で進みました。定跡で奈良将棋は左美濃囲い、K-Shogiは穴熊になりました。
90手ぐらいまではK-Shogiの評価値的にはほぼ互角で進んでいます(私もどちらが優勢か判断できません)が、 お互い持ち駒が多くなっているので、一気に形勢が傾きそうです。
98手目で穴熊を崩され、K-Shogiの評価値も下がります。
114手目のと金がじわりと寄る手、116手目の割り銀でK-Shogi優勢となり、一気に122手目で(多分)必死になりました。
142手で奈良将棋が投了。
3勝1敗となりました。

5回戦 先手:k-Shogi 後手:TACOS
次の相手は決勝常連のTACOSです。 どちらも3勝1敗でお互い勝ちたいところです。
将棋は29手目まで定跡で進みました。 その後、42手目でTACOSは矢倉が完成しました。K-Shogiは矢倉を目指していますが、玉が囲いに入りません。。。 (最終的に93手目に囲いに入りました。)
55手4三銀辺りでは順調にK-Shogiが攻めていると思います。が、その後の手が今一つで 評価値がじわりとTACOS優勢に傾いていきます。
87手2五歩辺りからTACOSの玉が入玉模様になってきます。 橋本さんによると今回のTACOSは入玉を目指しやすい傾向があること コンピュータ相手には有効かもしれないという話をしました。
その後、TACOSは入玉に成功し、152手でK-Shogi、投了。
3勝2敗となりました。

6回戦 先手:K-Shogi 後手:大槻将棋
大槻将棋はGPW2007でYSS, Bonanzaらを破り全勝優勝をはたし、 今選手権でも注目の強豪です。今回は巨大なラック型のマシンで参加されていました。
将棋は25手まで定跡で進みました。 その後、K-Shogiは居飛車穴熊に囲い、大槻将棋は穴熊に囲いました。
60手目で飛車に成り込まれ、大槻将棋優勢と思います。(k-Shogiの評価値はほぼ互角でした。)
その後、順調に攻められますがK-Shogiも粘ります。
113手目では大槻将棋の勝勢と思いますが、評価値は駒得しているため互角になっています。。。
その後、負けがわかり、122手でK-Shogi、投了。
大槻将棋の穴熊は金2枚によるものだったので、飛車が活躍できれば よかったと思いますが、飛車がまったく使えなかったのが敗因かと思います。
3勝3敗となりました。決勝へ進むためにはもう負けられません。

7回戦 先手:K-Shogi 後手:A級リーグ指し手1号
相手A級リーグ指し手1号の作者の方は選手権の常連ですが、 今回FPGAで参加され大注目のプログラム(?)です。 1秒に800万手読めるとのことで、あのBonanzaよりも倍の手を読めるそうです。
将棋は37手目まで、定跡で進みました。 定跡でK-Shogiは左美濃に、A級リーグ指し手1号は穴熊に組みました。
K-Shogiは飛車先を順調に攻め、評価値も順調に増えていきました。
穴熊の攻略に手間取りましたが、 121手でA級リーグ指し手1号、投了。
4勝3敗となりました。

8回戦 先手:習甦 後手:K-Shogi
習甦は初参加ですが、1次予選全勝で今大会注目のプログラムです。 Bonanza式の学習や並列探索も行われており、かなり作り込まれているようです。 実際、最終戦の奈良将棋戦で原因不明のトラブルが発生してしまいましたが、 もし勝てば初出場で決勝へ進んでいるところでした。
将棋はなんと43手まで定跡で進んでしまいました。 定跡で習甦は穴熊に、K-Shogiは美濃囲いに組みました。
その後、108手ぐらいまでは攻められ続けますが、何とか粘ります。 駒得のためこの時点で評価値はかなりK-Shogi優勢となっています。 習甦もこの時点では評価値はかなり下がっていたようです。
しかし、119手目の5一とでと金ににじり寄られ(この時点では評価値はK-Shogi優勢)、 125手目6二龍で一気に敗勢になり、そのまま押し切られてしまい、141手でK-Shogi、投了。
劇的な逆転負けで、4勝4敗となりました。 決勝進出の望みはなくなりました。

9回戦 先手:K-Shogi 後手:みさき
9回戦の相手みさきの作者の方は同じ大学の同じ学年の方で親しみを持っています。
選手権では初めてあたったと思います。
将棋は34手まで定跡で進みました。
定跡でK-Shogiが左美濃、みさきが穴熊に組みました。
お互い攻め合い、私にはよくわかりませんがK-Shogiの評価値は順調に上がり続け、 153手でみさき、投了。
5勝4敗となりました。

■二次予選の結果 (24チーム/上位5チームが決勝へ)

1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 9回戦 結果 順位
山田将棋 ○ SPEAR × GPS ○ 奈良将棋 ○ TACOS × 大槻将棋 × A級リーグ指し手1号 ○ 習甦将棋 × みさき ○ 5勝4敗 11位

結果は2次予選11位と昨年に比べ大きく順位を落としてしまいました。
今年はあまり棋力の向上ができなかったので順当ですね。。。


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